方向に要注意の指標


通常の指標は結果が良ければチャートは上がっていく、結果が悪ければ下がっていくのですが、指標の中には逆の動きをするネガティブなものがあります。
代表的な「失業率」がこれにあたります。

またその時の国の情勢に左右されて方向判断が難しい物も有ります。





 


● 公的部門純借入額

英国家統計局より発表される公的部門純借入額は、英国公共部門が負う債務の総額を示します。正の数値は英国政府の財政赤字を意味し、反対に負の数値は財政黒字を示します。数値の増加はポンドに対してネガティブ(弱気基調)と見なされる一方で、数値の減少はポジティブ(強気基調)と見なされます。

● 輸入物価指数

ドイツ連銀が公表する輸入物価指数は、ドイツが輸入する財価格の変動を測定したデータです。輸入物価指数は、取引価格の変動と取引量の変動とを区別するために重要となります。
輸入量が増加すれば、消費者需要の増大と景気拡大が見込まれるのに対し、輸入物価が上昇すれば、生産コストが上昇しインフレ圧力が強まることになります。


 ● 卸売り在庫、企業在庫

米国では、企業が抱えている在庫状況を示す指標が2つ発表されております。ひとつは卸売在庫で、もうひとつは企業在庫という指標です。

卸売在庫、企業在庫ともに米国商務省センサス局が毎月中旬に発表いたします。卸売在庫は米国に本社を置く約4,000社の卸売業者の在庫状況を示しているのに対して、企業在庫は卸売業者のみならず製造業や小売業も含めた様々な業種の在庫状況を示しております。

8月8日に発表された米6月卸売在庫は前月比+1.1%と、前月比ベースの伸び率が予想を上回る結果となりました。それを受け、ドル円相場は40銭ほど上昇しております。

しかし、卸売在庫、企業在庫につきましては、その結果を見るときに注意しなければならない点がございます。それは、他の経済指標とは反対に、卸売在庫、企業在庫が前月比ベースでプラス、もしくはその伸び率が予想以上という結果がドル売り(ドル円下落)、前月比ベースでマイナス、もしくはその伸び率が予想以下という結果がドル買い(ドル円上昇)につながる場合があるという点です。

なぜこのような場合が出てくるのかといいますと、在庫の増減につきましては、いずれも次のように2つの相反する理由があるからです。

・在庫増加は商品の売れ行きが悪くなったことが原因である。 
・在庫増加は、商品の売れ行きが良くなることを見込んで、生産量を増やしたことが原因である。

同じ在庫増加でも、上記のように正反対の見方があり、前者の見方が優勢となればドル売り要因となり、後者の見方が優勢となればドル買い要因となり得るわけです。

ちなみに、在庫の減少に対しても 
・在庫減少は、商品の売れ行きの落ち込みを見込んで生産量を減らしたことが原因である。 
・在庫減少は、商品の売れ行きが予想以上に良くなったことが原因である。

というように正反対の見方があり、前者の見方が優勢となればドル売り要因となり、後者の見方が優勢となればドル買い要因となり得るわけです。

すなわち、卸売在庫、企業在庫の結果ついては、強弱いずれの場合でも正反対の見方があるため、他の経済指標とは反対に、好結果がドル売り、悪結果がドル買いにつながるというケースが少なくないのです。


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